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2022.06.30
夏の花-キョウガノコ
六月も終わりになります。
先日梅雨入りしたばかりですが、もう梅雨明けを迎えた地域もあるようで、今年は例年になく梅雨明けの早い年になっているようです。
毎年天候の変化が激しく体がついて行かなくなってきていますね。
今回は「キョウガノコ」です。
バラ科シモツケソウ属の花で、ピンク色の小さな花が集まって咲く初夏の花です。
庭の石灯籠の脇に生えており、第二診察室の窓から見ることができます。
漢字では「京鹿の子」と書きます。
食い意地の張っている私は鹿の子というと和菓子を真っ先に連想してしまいます。
調べてみると名前の由来はどちらも子鹿の背の模様から派生しているようです。
最もキョウガノコの名前はワンクッション置かれていて、京の染め物技法の「鹿の子絞り」から来ています。
鹿の子絞りは丸い点の下絵を中心に布を四つ折りにして、その角を糸でくくることを繰り返して布を染める技法です。すると糸でくくったところは白く四角く、角の先端はかすかに染められて点になります。この形が子鹿の背に現れる白いまだらものように似ていることからこの名前になったようです。
小さい花が集まっている様子が、紅色の鹿の子絞りの模様に似ています。
一方で和菓子の鹿の子も小豆や栗が鹿の模様を連想させるようにして作られたもののようです。
「キョウガノコ」も和菓子の「鹿の子」も元をたどれば鹿の模様に行き着くのです。
これを知ってからそれぞれを見るといずれも鹿の模様にしか見えなくなってしまいます。昔の人の自然のものに例えるネーミングセンスにはうならされますね。